「華麗なる絞りの世界」と題して、京都絞栄会の職人展が2020年6月24日(水)~27日(土)の日程で開催されました。

「五山の送り火 几帳」が広島初公開

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

メインは壁面いっぱいの「五山の送り火」。
絞りの技術を使って絵画的表現に挑戦するこのプロジェクトは
30数年前から「後世に絞りのすばらしさを残す
ことを目的に立ち上がった京都の絞り職人衆の技の結晶です。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

様々な絞りを使って、京都の風物詩を再現。
絞り染めの迫力と繊細さが入り混じる世界観に、
その場を離れがたい…と
長い時間見とれていらっしゃる方も多かったです。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

送り火の部分は「辻が花」と呼ばれる伝統技法。
絞ったあとに、色を染め上げてさらに花の文様を描きます。
まるで本当の火が燃え盛っているように見えます。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

近づいてみるととても細かい絞りがならぶところは
京都市街の明かりを表現した部分。
鹿の子絞り」といわれる代表的な絞り方が使われています。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA うすぼんやりとした松並木の部分は
疋田絞り」といわれるとても細かい絞りが並びます。
贅沢にも、絞った部分が目立たなくなるように
本来なら白く残す部分にも色がさしてあります。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

静かな木々を表現した部分を染め分けているのは
桶絞り」といわれる桶を使った絞り方。
大きな桶を使って絞るので体力が奪われるため、
1日に2桶しか染めることができません。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

たくさんの絞りの技術を結集し
40人もの絞り職人が2年6か月を費やして
完成させた大作は圧巻でした。

着物に仕立てあがるとさらに素敵に

反物でも十分素敵な絞り染めですが
柄ゆきを工夫して着物に仕立てあがっていると
さらに素敵です。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

襦袢(じゅばん)の色をはさみこむと
なんて粋な!!
竹取物語を連想するような竹林×霞
どんな方が着こなされるんでしょうね~と
見にこられた方々とも話がはずみました。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

江戸時代には、あまりに手間がかかって贅沢すぎるので
「絞り禁止令」なるものが出たこともあるほど。

今は自由に着物を着ることができる時代ですが
現在でもその手間や苦労はあまり変わっていないということですから
職人さんへの感謝と尊敬の気持ちをもって身にまといたいですね。

絞りの技法を気軽に身にまとう

絞りの技法をもっと身近に感じてほしい
という願いから
洋装にもなじむ小物も展示されていました。

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

オリンピックにちなんでデザインされた
市松模様を配したクラッチバッグや
まるで海の生物のようなモダンなストールなど…
見るだけでも楽しいものがたくさん!

京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

こんな時だからこそ
日本の伝統技術を絶やしてはいけないから
と応援の気持ちで購入された方もいらっしゃいました。

絞った布をほどくだけでも大変!

絞る作業ももちろん大変で、高い技術力が必要ですが
製品になるまえには、それをほどく作業も重要です。

かなりの力でひっぱるので
時には摩擦熱でやけどをしたりすることもあるそう!
実演していただいたときの動画をご覧ください。

今後も応援したい日本の伝統技術

90代の職人さんたちが現役で
70代の職人さんたちが「若人」と呼ばれるこの世界。
なかなか後継者が育たない中、
どうにか次へつなごうと工夫・努力されているお話をたくさんうかがいました。

これまでは、海外からのお客様が7割を超えていた
と言われていましたが、
逆にこのコロナ禍のおかげで私たち日本人が
こうして古くからの伝統技術のすばらしさを再認識して
さらにこれから応援していくとてもよい機会になったのでは!
と思います。
京の絞り職人展@ぎゃらりぃSARA

このような大変な状況の中
また、梅雨で足元の悪い時期にご来場いただいたみなさま
ありがとうございました。